2019-02-01-Gewürz00


スーパーや食材専門店の調味料コーナーでは、単品のスパイス、ハーブの小瓶の他、ステーキ用とか、魚の香草焼き用とか、鶏肉のトマト煮用とか…、いまではたくさんのシーズニング=ハーブ、スパイスミックスも売られるようになっています。
それらに何が使われているかを気にすることもなく、ちょちょいとふりかければそれなりの風味の料理が出来る! 
…ということで、それらは大変便利なものの様です(私は使ったことがないのですが…)。

でもせっかく料理を作るのですから、何をどの様にと意識し、さらに自分でコントロールして使いたいものですよね。

そこでやはり、材料をひとつひとつ確かめながら集め、自分で合わせるスパイスミックスを作ってみてはいかがでしょうか?

はじめはお手本に従いながらも、何度か作って使ってみる中で、自分や食べてくれる人の感想を聞きながら、少しずつ分量を変えたり、別なスパイス、ハーブを加えてみたりして、次第に自分流のスパイスミックスとして成長させていくことが出来ます。植物を苗から育てるのと同じで楽しいです。

今日は焼き菓子=マフィンやクッキー、パンケーキ、アップルパイや甘いパンなど、更にコンポート(果物の砂糖煮)にも広く使える基本スパイスをご紹介します。

◎材料

・オールスパイス(粒) 小さじ 3
・クローブ(粒) 小さじ 3
・シナモン(パウダー) 小さじ 1.5
・ナツメグ(パウダー) 小さじ 1.5
・ジンジャー(パウダー) 小さじ 2.5


◎作り方
オールスパイスとクローブはそれぞれ別々に炒って、乳鉢で挽きます。
各々小さじ2の分量をはかり、その他の材料と合わせます。
密封性の良い瓶に入れ保管します(常温保存可能)。


2019-02-01-Gewürz02
ホール状のスパイス(クローブとオールスパイス)をそれぞれ別に火にかけます(写真は撮影用に一緒にしてありますが)。
香りが立って来たところで火を止めます。焦がさないようにご注意!。


2019-02-01-Gewürz03

乳鉢またはすり鉢ですりつぶします。ハーブと違って乾燥したスパイス類は硬いので、すり鉢のほうが向いています。それでも粉末にするにはなかなか時間がかかります。でも、丹念に作業しながら、これらスパイス類が届くまでのことを想い、鉢の中から立ち上る香りの繊細さと奥深さをゆっくりと感じられるのは、よい時間です。なお、電動のミール(粉挽き器)を使うことも可能ですが、鉢ですりつぶしたものには劣ります。

2019-02-01-Gewürz04

しばらくすりおろしたら目の荒い茶こしで濾し、残ったホールを鉢に戻して再びする…ということを繰り返して行きます。

2019-02-01-Gewürz05

すりおろし完了。パウダー状のスパイスも加えてよくミックスします。

2019-02-01-Gewürz01

空いたスパイス瓶(50cc容量)に収めたところ。材料表の分量でこのくらいが出来上がります。

◎使い方
基本的には調理の最初の段階に加えます。
マフィンやクッキー、ケーキなどの粉物には、粉類をミックスする時に加えて下さい。
果物のコンポートも、砂糖と一緒にして火にかける最初の段階で加えます。

使う量ですが、初めて使う使う場合は自動車の慣らし運転の様に、最初は自分の思う量よりも控えめに! をモットーに加えて行って下さい!(例えば小麦粉250gで焼き菓子を作る場合、スパイス瓶で2から3振りくらいからはじめてみて)。

自分や家族の好みで、少ない(食材の匂いなどに負けてる)と思えば多くし、スパイスの匂いがキツイ!=勝りすぎていると感じれば、減らしていって下さい。

ハーブやスパイスの使用は材料の嫌な匂いや胃腸に負担をかける成分を、抑えたり、打ち消したりするのが役割です。それ自体を目立たせるためのものではありません。
つまり主役はあくまで主になる食材で、理想をいうと「何を使ってあるのか分からないけど、すごく美味しい!」が目標とするところです。

このスパイスミックス、ジンジャー以外のスパイスには、共通して「オイゲノール」と呼ばれる精油成分がふくまれているのが特徴です。
独特の爽やかさとほろ苦さを感じさせてくれる成分で、これが砂糖などを使う菓子類の甘さを引き締めて食べやすくし、胃腸への負担も軽減する効果を発揮してくれます。 

そのオイゲノールをベースに、
  • ナツメグにはムスク=麝香の様なエキゾチックな香りが、 
  • シナモンには愛らしい甘い香りが、
  • クローブにはきりりとした刺激的な香りが、
  • そしてオールスパイスにはバランスのとれた苦味と清涼感があります。

ひとつ、ひとつにはかなりクセ(それぞれに薬臭さの様なもの、なにせオイゲノールはその昔、歯医者さんで鎮痛剤として使われていました )があるのですが、同じ「オイゲノール」系のこれらスパイスを合わせることで、嫌な部分は打ち消され、それぞれの良い部分がハーモニーを作って活きてきます。

これに少し系統が違う、フルーティーな辛味感のあるジンジャー(生姜)を加えて、更にバランスのとれたものになっています。

なお、お好みに応じてジンジャーを、同じ系統=ショウガ科のカルダモンに代えると、よりエキゾチック感が増してきます。これはあくまでも私の好みですが、フルーツコンポートにはジンジャーの代わりにカルダモンを使っています。

さらにまた、似ていて少し系統が違うレモンやオレンジなど柑橘類の皮のすりおろし(フルーティーな香りと苦味感)などを合わせて行くことも出来ます。




2017-05-08-maffin01_20180605054342720

次回はこのお菓子スパイスを使って、基本のマフィンの作り方をご紹介しましょう。

※ レシピ参考: Kräuter & Gewürze Das Kochbuch GU Verlag 2011 
※ ハーブ、スパイスの特性については 武政三男 『スパイスのサイエンス』(文園社)など同氏の著書を参照

※お願い…よかったらご感想をお聞かせ下さいね。