3月は雨上がりの朝で始まりました。

冬眠していた虫たちが現れるという二十四節気の啓蟄も、あと1週間。

今年は早目に入った春のスイッチ、昨日から降り続いた本格的な雨で、その歩みが一段と加速されることでしょう。

水曜日、雨が降る前にと、カラカラ天気で植えられずにいたカモミールの赤ちゃんたちを大急ぎで植えて来ました。

2019-02-27-beby-kamille


英語で「chamomile(カモマイル)※「カモミール」は英語綴の日本風ローマ字読みのようですね」
江戸時代から使われている日本の標準和名では「かみつれ(加蜜列)」。
(ついでに、ドイツ語ではKamille(カミッレ)、イタリア語ではcamomilla(カモミッラ)、アラビア語では بابونج (バーブーナジュ(ン)…)、中国語で黄春菊(Huáng chūnjú)などなど…)

ハーブ好きのみなさんは良くご存知のことと思いますが、お茶として利用される代表的なハーブですね。

部位は花を利用し、穏やかな鎮静作用があって、風邪の初期症状や胃腸炎に効果があり、原産地のヨーロッパや中近東はもちろん、東洋でも古くから利用されてきました。(日本でも江戸時代後期から)

特に女性に優しいハーブとして、母体の健康維持や冷え性、更年期の諸症状にも効果があるとして「母なるハーブ」の代表としても讃えられています。

宿のお客様がヨーロッパに旅行された折り、ベルギーで生牡蠣にあたって苦しい思いをしたそうです。我慢できずに経由地のドイツでお医者さんに診てもらったら、カモミールのお茶を処方されたそうです。「え! これで治るの?」と、何でも薬(化学薬)を処方される日本人から見ると心もとなさを感じたそうですが、たちどころに…ではないけれども、穏やかに効いて楽になり、助かったそうです。

日本ではお茶として扱われますが、ドイツでは薬事法で管理される薬として扱われているようです。

カモミールは、ハコベやホトケノザなど春に花を咲かせる雑草と同じく、秋に芽生え、翌年の春から初夏に花を咲かせ、タネを作った後に枯れる越年草と呼ばれる一生を送ります。

毎年栽培していると、特別に種まきをせずとも他の雑草と同じくこぼれ種で芽生えてくれます。
わが家の畑で育つカモミールたちも、もう20年以上前に種まきしたものの子孫たちです。

ただそのカモミール、芽生えの時期に光が必要で、いったん人の手で地面が裸地にならないと芽を出せないという性質を持っています。

こういうのを人に生き方を頼る「人里植物」と呼びます。

 私たちのところでは、9月から10月にかけて秋冬野菜を植えるために草刈りをして、いったん畑とその周辺を全部裸地にして掘り返しますが、その人の働きを待ってはじめて次世代が芽生えて来るわけですね。


2014-09-16-kamille
▲自然に芽生えて育っていくカモミールの若苗

2014-09-30-kamille-verpflanzen
▲芽生えたカモミールの赤ちゃんを、いったん育苗箱に移しているところ。

でも、その草刈りが不十分だったり、時期を逸してしまったりすると、だんだん芽が出るカモミールが少なくなってしまいます。

この数年、体力の衰えなどから畑仕事を疎かにしてしまったためか、昔に比べると自然に芽生えるカモミールがずいぶん少なくなってしまいました。

そこで昨年の秋、久しぶりにカモミールの種まきをして人為的に殖やすことにしました。

本当は秋のうちに畑や花壇に植え付けておけば、結構大きくなっているはずでしたが、まだ間に合うかなぁ〜。

たくさん育ってくれたら、宿をご利用のみなさんにもおすそ分けできればと願っています。





2015-04-25-kamille01
▲流通上、一般的には乾燥品を利用しますが、   
香りや効果はフレッシュの方が格段に優れています。


2015-05-07-tee
▲お湯を注いだだけのプレーンなお茶も良いですが、     
ミルクティー(写真はマサラチャイ)に加えても美味しいです。