今日は変わりやすいお天気の一日でしたね。午前中は、二十四節気の次の節気である清明を思わせるほどの明るく爽やかなお天気だったのですが、元号が発表された頃から急変、厚い雲が覆ったかと思うと急に冷たい風が吹いて、雨が降って来ました。そうかと思うとまた青空がのぞいて…、と思うとまた雨が降って…の、なんとも忙しい空模様でした。

みなさまの地方はいかがでしたか?


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畑でパセリの大株をたくさん育てているのですが、4月に入ってそろそろ花芽が上がって来る頃になりました。花芽が伸びてくると、葉はだんだん硬くなり、しかも痩せて小さくなるのですが、一方で香りの方はだんだんと強くなって来ます。ちょうどその間のバランスの良い頃に掘り上げて、軒下に写真の様につるして、"干しパセリ"を作ります。 

これが香り高い野菜の出汁( Gemüsebrühe, Fond de légumes)を作ってくれるんですよ。

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こちらはフェンネルの根。これも、良い材料になります。

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野菜のグラタン。 軽く炒めたフェンネルとチコリー、ジャガイモに、自家製の野菜出汁を注ぎ、チーズを散らして焼いただけですが、とても美味しかったです。 

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野菜出汁だけで作ったミネストローネ。

野菜の出汁は、魚やお肉の出汁のようなガツンと来る強い旨味はありませんが、ほんわかと甘く優しい味がします。動物性の出汁が活力をもたらせるのに対し、植物性の出汁は落ち着きと充足感を与えてくれる様な気がします。

いまでは野菜出汁も、粉末になった便利なものがいくつも出ていますが、ちょっと時間のある時に、自分のお気に入りの野菜とハーブ、スパイスを使って、自分流のものを作ってみるのも良いですね。

自家製の野菜出汁の作り方もたくさん紹介されていますが、今日は私が野菜料理の手本にさせてもらっている『Die vegetarische Kochschule(野菜の料理学校)』という本のレシピを基に、少し手を加えてご紹介します。 少し専門的な内容ですが、ご参考になれば…。



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◎材料
ー 2.5リットルのフォン用
  • 玉ねぎ 1/2個 皮はむかずに
  • (※)白キャベツ 1/4個 堅い茎は別にする
  • 人参 1〜2本 よくブラシをかけて汚れを落とす
  • (※)セロリ 1/2 本 できれば葉と根付きで、しっかりとブラッシングする
  • (※)ズッキーニ 1/2個
  • 赤 、または黄色パプリカ 1個 種とワタを除いて
  • 長ネギ 1/2〜1/4本(下の白い部分、根をつけて。よく洗う)
  • パセリ 1/2株 (できれば根をつけて。これもよく洗う)
  • ローレルの葉 1枚
  • ジュニパーベリー(ねずの実) 小さじ1/2
  • 黒胡椒 小さじ1/2
  • 白ワイン1カップ
  • 水2.5 リットル
(※)セロリはオリジナルのレシピではセロリアック(根茎セロリ)を使用していますが、普通のセロリに置き換えました。またキャベツとズッキーニは、他の野菜と置き換えが可能です。白菜、レンコン、トマト、更にはきのこ類を使っても美味しいです。

(※)ローレル、ジュニパーベリー、黒胡椒、白ワインは、野菜に特有な青臭さを抑えるための加えるものです。ジュニパーベリーの代わりに、クローブやオールスパイス、コリアンダーシード、乾燥オレガノ、乾燥タイム少々などを使っても、美味しく出来ます。

◎作り方

  1. 材料の用意。ニンジン、パプリカ、白キャベツ、長ネギ、セロリー、皮をむかない玉ねぎ、ローレルの葉、コリアンダーシード、黒胡椒の粒、ジュニパーベリーの実などを用意します。

  2. 野菜をよく洗い、粗く切り分けます。セロリやパセリ、ネギは着いていれば根も一緒に使います。

  3. 皮をむかないままの玉ねぎを半分にし、熱した鍋の底に、油なしで、切断面を下にしてローストします。これによってフォンに良い香りのアロマが得られます。

  4. 大きな鍋に、三分の二ほど冷たい水(材料表では2.5リットル)と白ワイン1カップを注ぎ入れます。野菜とローストした玉ねぎをその中に加えます。
  5. 赤または黄色のパプリカは、フォンに甘い香りと美しい黄金色を与えてくれます。
  6. 葉付きセロリはフォン(出汁)にメリハリの効いた風味と香りを作ります。必要な野菜を入れたところで、野菜全体を水が十分に覆っていることに注意して下さい。
  7. パセリ(できれば茎と根がついたもの)はフォンにさらなる風味を添えてくれます。
  8. 鍋に火をかけ、沸点の手前までゆっくりと熱していきます。フォンは少なくとも1時間、できれば2時間は十分に火にかけて味を引き出して下さい。ただ、ふつふつと強く沸騰させてはいけません(アクが出てしまうため)。 そうして、フォンが金色になり良い香りがしたら、野菜とハーブの材料を慎重に引き出します。フォンは漉して、すぐに料理に使うか、あるいは煮沸消毒したビンに詰めて冷蔵庫で2〜3日ストックすることができます。同様に小分けにして冷凍して保存することも可能です。


野菜のフォンは、ソースやスープ、様々な煮込み料理のベースとして利用できます。野菜出汁だけで使えるのはもちろん、肉や魚のだし汁と合わせると、よりまろやかでコクのある料理に仕上がります。

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参考書。なんと本の厚さが5センチ、400ページの大きな本ですが、野菜料理の技術やレシピ、素材について余すところなく紹介されています。

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Tempura=天ぷらの作り方も紹介されています。