ボリジ (Borago officinalis)の花が咲き始めています。

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ボリジは地中海地方(A.W. ハットフィールドによればシリア北部のアレッポ地方※1)が原産のムラサキ科の草本で、日本では秋に芽生えて冬を小さな苗で過ごし、初夏の今頃に花を咲かせます。(条件が良いと秋に成長して、晩秋に花を着けることもあります)
越年草で、花を咲かせた後に枯れますが、条件が良ければ、こぼれ種で毎年芽生えて世代を重ねていきます。

全草に野菜のきゅうりに似た香りがあり、若い葉や花を好んでサラダやドレッシングソース(※2)に利用されています。他にスープなどにも。また青い星型の可愛いお花を砂糖漬けにして、お菓子の飾りにも利用されます。

薬用植物としても古くから利用されており(学名の後半、種小名と呼ばれるofficinalisは薬用である事を示します)、古代ギリシア、ローマから中世にかけては「憂鬱や悲しみに効果があるとされ(※3)」「ジョン・ジェラード(「本草書 」1633)は、この葉や花をワインに浸して飲めば、人びとは愉快になり、あらゆる悲しみや憂うつを忘れる」(※1)と伝えられて来たと言います。

現代でも、「利尿作用、リュウマチ痛の緩和、抗炎症作用、去痰、発汗作用の性質を持つものとして評価されて※3」います。


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ボリジの外見上の特徴は全草に細かい毛が生えていて、学名の属名Borago もラテン語の borra,burra(=粗い毛)という言葉に由来すると一般に言われています。
 ただし、分類学の大家リンネは、薬用植物として「心臓の鎮静剤としても使うことから、Boragoはラテン語のcorago(=心臓の働き)のなまり」と考えました(※1)。ドイツ語の異名にも「心臓の喜び=Herzfreud」という言い方があります(※3)。

外見上のもうひとつの特徴は、花の中心から突出する黒紫色の雄しべで、これがひとつに癒合してピンの様になっている点です。

引用注
※1 A.W. ハットフィールド『ハーブのたのしみ』八坂書房
※2 ボリジなどを使ったドレッシングソース →緑のソース
※3  Das große Handbuch der Kräuter und Heilpflanzen