今年もキャベツの漬物、ザワークラウトを仕込みました。今年は秋が暖かだったせいもありキャベツの生育が少し早いので、その分早めに第一回分を作り始めました。

ザワークラウトの説明は、昨年作った時の記事に詳しく書いたので、興味のある方はこちらをご覧ください。日本の漬物は塩分濃度が浅漬けで2〜6%、ぬか漬けで7%前後とされるのに対して、ザワークラウトは1%とごく僅かです。にもかかわらず、乳酸菌と各種スパイス(ハーブシード)とワインの働きで、室温下で3週間ほどの発酵後、冷蔵庫に入れて1ヶ月は十分持つのが特徴です。

作るにはちょっと覚悟が入りますが、生きた乳酸菌が入った自家製ザウアークラウトは格別の美味しさです。(市販の瓶入りは乳酸菌を殺して発酵を止めてあります)

以下、作り方の一例です。

◎分量 2リットル容量以上の 釉薬をかけた瓶 または ガラス容器、ホーロー容器

◎材料
•白キャベツ 2kg (キャベツ約2個分)
•キャラウェイシード、白マスタードシード 各小さじ1/2
•ジュニパーベリー(西洋ねずの実) 小さじ1
•月桂樹の葉 2枚
•粗塩 20g
•白ワイン 100ml

(ジュニパーベリーの代わりに、クローブを使ってもOK。なくても大丈夫です。その際は、キャラウェイとマスタードシードを増やして下さい。お好みで、ディルシードや生姜、唐辛子なども加えられます。今回はディルシードと生姜を少し加えました)

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 キャベツを水洗いして汚れを落とします。硬い外の葉は取り除きますが、捨てずに取り置きます。
キャベツの玉を4等分し、中心の硬い茎は取り除きます。


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 スパイスを用意します。

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 キャラウェイシード、マスタードシードを乳鉢の中ですりつぶします。ジュニパーベリーは多少粗く潰します。ローレルの葉は小さく千切ります。

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 スパイスと塩を混ぜ合わせます。

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 4等分したキャベツをスライサーやフードプロセッサーを使って薄くスライスします。

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スライスしたキャベツ。

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漬ける容器の底に、取り置いておいたキャベツの葉の半分を敷きます

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キャベツにスパイスと塩を少しづつ混ぜながら…

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容器に層になるように詰め込んでいきます。手を使ってギュウー、ギュウー押し込んだり、ジャガイモを潰すマッシャーを使ったりしながら、とにかくかたく詰め込んで、水分を出させるのがポイントです。

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全部入れ終わったら、取り置きキャベツの葉半分を上に覆って蓋をし、白ワインを注ぎ入れます。
写真を撮り忘れましたが、最後に清潔なお皿を上に載せ、約1キロほどの重しをします。


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蓋をし、布で覆います。発酵後炭酸ガスが発生しますので、密封はしません。きっちり蓋をしすぎると爆発してしまいますので要注意。

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その後、一週間室温(理想的には20℃〜22℃で2日置き、その後15〜18℃)に置きます。2〜3日ほどすると、発酵にともない容器内の縁に沿って濁りと泡が発生しますから、毎日必ず確認し、汚れが溜まったらそれを取り除きます。
 そして上に載せてある皿と重しを洗い、再びキャベツ漬けの上に置き、重しをします。

この作業を「pflegen(プフレーゲン) 世話をする、養う」と表現しますが、日本のぬか漬けで「ぬか床の世話をする」というのと一緒ですね。ここでちゃんと世話ができたか、できないかで美味しさや保存性が大きく違って来ます。

2週間ほど(室温によって変わります。冬場15℃以下でしたらもっと時間がかかります)して味見をします。程よい酸味と旨味があって、OKならば、乳酸菌発酵が進んで食べ頃になっています。 その後室温に置いて2週間(10℃以下の冷蔵庫に入れれば4週間ほど)美味しく食べることができます。 

時間が経つと酸っぱくなって来ますので、最後はソーセージなどと炒め物にしたり、スープにして食べ終える様にします。


◯参考文献:
„ Alles hausgemacht “  von Peter Casparek & Erika CasparekTürkkan . Gräfe & Unzer Verlag GmbH,  München 2011
„ Einmachen Gemüse Natürlich Einlegen “  von Karin Bojs .  h.f.ullmann publisching GmbH,Potsdam 2014